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(で?どうして、超こんな状況になっているんでしょうか?)
絹旗最愛は相変わらずファミレスの一角を陣取っていた
ただ、先ほどと大きく違うのは人数だ
彼女の座るボックス席は彼女の他に三人が座っていた
一人は成人しているであろう金髪で大きな鞄を脇に置いて不機嫌そうに外を眺める外人女性
一人は薄い黄色の浴衣姿で苺パフェを食らう少女
一人は《学園都市》の名門中学の《常盤台中学校》の制服を着込み、頭に電子ゴーグルを付けて虚ろな瞳でメニューを眺める少女
はっきり言って、異常であった
全員が集まって数分経っているのだが誰一人、喋らない
ただ、沈黙が支配している
そんな中、絹旗だけがため息を深く吐いた
数分前……
最初に入って来た人物が一番問題であったと絹旗は思っている
確かに端から見ても周知の事実だ
最初にファミレスに入って来た人物
それは金髪の外人女性だった
ただ、その人物に見覚えがあったのだ
(超冗談ですよね。まさか、彼女が新・アイテムのメンバーとか超言わないですよね)
嫌な汗がダラダラと流れる
必死に相手に顔が見られないようにメニューで隠す
絹旗の願い虚しく、女性は一直線に絹旗の居る席に向かって来た
ここに来て電話の女の言葉の意味が分かったのだ
最悪のファーストコンタクト
まさしく、それだろう
「ん?もしかして、今度から仕事をすることになる相手っすか?」
最悪の予想が当って女性が席に座り、絹旗に問いかける
しかし、相手に気付かれたくない絹旗は顔を隠しながら頷くだけ
「やっぱり、そうっすか。ああ、メニュー貸しくださいよ。まったく、秋口なのにこの国は相変わらず蒸し暑いっすねえ」
だらしなく、胸元の服で仰ぎ、風を入れている
しかし、絹旗のその情景を見ることは出来無い
そして、メニューを渡すことも
メニューを渡さないままというのも不信
絹旗は今まで暗部で命を賭けた戦いをしてきたが今回が一番危険であると感じていた
「まだ、決まらないならいいじゃないですか。貸してくださいよ」
「あっ!」
「へっ!」
金髪の外人女性、ステファニー・ゴージャスパレスが絹旗の持っていたメニューを奪い取った
そうして、つい最近、殺し合いをした二人が再び出会ってしまったのだった
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