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「こーくん」
仕事が終わって
楽屋を出ようとした時に呼ばれた。
聞き覚えのある舌ったらずな声に、
振り返る前に返事を返す。
「葵くん。何?」
振り返れば、案の定
ふわりと笑う葵くんがいた。
「今日、こーくんこの後ひま?」
久しぶりに、一緒にのもうよ。
「‥、」
「あ、仕事あった?」
一応マネージャーに聞いてもらったんだけど、
「‥あ、違う違う、ないよ」
眉を下げる葵くんに
にっこり笑いかける。
「行こう。葵くんと飲むの、久々だね」
‥‥どうしたんだろう。
葵くんから飲もうなんて、珍しい。
*
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