4/4
286人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
手足を縮めれば 自分が小さく震えているのに気がついた。 それを認めたくなくて、ぎゅっと腕に力を込める。 ‥‥早く、出ていってくれよ。 頼むから。ここから俺を、追い出さないでよ。 自分の中の感情だとわかっているのに、必死で見てみぬフリ。 これ以上まとわりつくのはやめてくれ。 あの人たちに見せる顔が本当になくなる。 呼吸のしづらさに頭を上げれば 開けっぱなしのカーテンから光が漏れだしていた。 ‥‥あぁ。 やっと、朝が来た。 安堵と共に 疎外感。 あぁ‥。 また時間は俺を置いて進んでいくんだ‥。 ‥‥俺だけを 置き去りにして。 *
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!