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手足を縮めれば
自分が小さく震えているのに気がついた。
それを認めたくなくて、ぎゅっと腕に力を込める。
‥‥早く、出ていってくれよ。
頼むから。ここから俺を、追い出さないでよ。
自分の中の感情だとわかっているのに、必死で見てみぬフリ。
これ以上まとわりつくのはやめてくれ。
あの人たちに見せる顔が本当になくなる。
呼吸のしづらさに頭を上げれば
開けっぱなしのカーテンから光が漏れだしていた。
‥‥あぁ。
やっと、朝が来た。
安堵と共に
疎外感。
あぁ‥。
また時間は俺を置いて進んでいくんだ‥。
‥‥俺だけを
置き去りにして。
*
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