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「少し横になるから佐山、起こしてくれよ。」
瞼を落としながら、
横目でふて腐れている佐山へ一言つげ、腕組みをしながらオレは仮眠を摂ることにした。
佐山
「……んもう。」
眉を寄せたまま、
大きなため息をつきながら、自分が掛けていた膝掛けをオレにかける。
佐山
「しっかりして下さいね、センパイ。」
そう言うと、
カバンから文庫本を取り出し静かに目を落とす。
人肌で温められた心地よい感触がオレの体を包み込み夢の中へと誘っていく。
静かに、
東京へと向かっていく。
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