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「よしっ!」
そう言ってひとり気合いを入れる。
まだ着なれない新しい制服を着て鏡の前でくるりと1回転。
普段はしないようなナチュラルメイクを施し、中学校を卒業してすぐに染めた焦げ茶色の髪を丁寧に巻いていく。
「完璧♪」
メイクが終わったのもつかの間、家中に響き渡るような声で母が叫ぶ。
「ちょっと未希菜!あんた遅刻するわよ~!?入学式から遅刻する気!?」
机の上にある時計を見ると8時前。
「やっば!」
あたしは朝ごはんも食べずに家を飛び出した。
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