クチハテ

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宮の内にある陛下の私用のための部屋をお借りすることになり、私はそこで一夜を過ごした。 魔除けの朱を配した柱が特徴的なそこは昔、陛下が少女のころ使っていたのだという部屋で、寝台に横たわりながら私と同じ年頃であったという陛下が何を考えたのだろうと思った。 よく分からないけれど、それは恐らく同族思慕のような感情だったのだろう。 前に進むことしか許されない世界。そこに住まう者として。
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