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列車を降りると海の傍であるせいなのか、冷たさを纏わせた風に迎えられた。高台に駅が立てられているので一望。
軍略的にどうなのかと思うが、そう言えばこの駅は軍事目的で作られ、使用には陛下の許可がいるのだった。
野戸の岬は完全に軍港として使われている。その利潤によって町はもっていると聞いたことがある。軍御用達の食品屋やら皮屋やらで賑わっている。昼間人はそれほど多くなく、夕方あたりからぽつぽつと現れ始める軍人によって賑やかになるらしい。
着いたのは日が落ちたくらいの時間だったため余計賑やかに見えたようだった。町の中心部にある赤い灯りはある程度の教養を持った人間として無視することにした。軍人にも休息が必要。そう言う事なのだろう。
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