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「ただいま…。やっぱ面白いことになってんね。」
帰ってきた律に目をやると彼女は本当に走っていない様で、息切れの1つもしていなかった。
「どこがだよ。」
舌打ちをし、荒々しく言葉を吐き捨てる。
「まぁまぁ、こんなボロアパートどうせ引っ越すんだしいいじゃない。それより一本くれない?無くなっちゃった。」
ゆっくりこちらへ向かいながら、煙草を受け取る為手を雄馬に伸ばすと、雄馬は吸い掛けの煙草を差し出した。
「あら?誘拐?」
受け取った煙草をくわえ、ニヤリと口を釣り上げる。しかし雄馬は冗談じゃないと否定する。
「なわけ無いだろ…勘弁してくれ。なんか知らんけど部屋で気を失ってたんだよ」
なぜ居るのかを説明したが律は全く興味がないのか「ふうん」と一言だけ返し、散らばった服をまとめ始めた。
(あー本気で怠い。何だよこのガキは……。まてよ………ってこた、あのガキがさっきの流れ星って事になんのか?じ、じゃあ)
「流れ星って人間なのか!?」
さっき空を飛んでいた物体をいまだに流れ星だと思っている雄馬はバカだ。
しかし、此処にはもう一人いる。
「あんたバカでしょ?」
呆れたようにヤレヤレと首を振る律は最初からわかっていたかのか断言した。
「流れ星は石なのよ石!だからこのガキは石の中から出て来たのよ!」
…まあ何処から来たのか何者なのか分からない女の子は、正直石から出て来たと言われても否定は出来ないがもし、石に人一人入っていたならこのくらいの被害では済まなかっただろう。
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