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しかし、普通の思考ならばそんな考えに導かれる筈がない。
つまり、彼女も馬鹿なのだ……
「まぁ、何にせよこれからどうする?」
「夜逃げよ。夜・逃・げ。」
「げ…!もう荷物まとめ終わってんのかよ!しかも着替え終わってるし」
今の彼女の姿は先ほどの制服とは違い、私服に着替えている。
上半身は白ベースのジャケットに赤色のインナー。下半身は短いショートデニムに黒いストッキング床が汚いからか、既に茶色いブーツを履いている。変わらないのはマフラーだけ。そして少し大きめのキャリーバックに足を組んで座っている。
「じゃあ、俺も着替えるか。」
雄馬は頭からバンダナを外すとそばに転がっていた、適当なジーンズに履き替え、制服とワイシャツを脱いだ。
ベランダから玄関へ吹き抜ける風が彼を刺激し鳥肌を立たせている。それを防ぐためのジャンパーをクローゼットから取り出すと
「なんじゃこりゃあぁぁぁぁ!?!?」
「うひゃぁ!」
なんと少女がぶつかったせいで左肩から袖にかけて一直線に破れていた。そして、雄馬の声が相当大きかったのか気を失っていた少女が飛び起きた
「あ、起きた」
突然の事態に2人は意外にもスルリと理解でき、二人同時に声を出した。
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