第一章 桜の季節

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「未唖」 教室の入り口から、低い声がきこえる。 「あ-巧!!」 未唖はその男にかけよった。 ああ… 彼氏か。 総司…あいたいよ 「…っ!!」 あたしは、きがついたら総司と出会った場所にいた。 今も、桜の季節。 あの桜以外の桜が咲き誇る。 「そ…じ」 「そ-…じ……ヒッ…あぁぁ-」 無情に流れ落ちるなみだが、地面を濡らしていく。 「香音…?」 「っ!!……ズッ…なに?」 「なんで……香音どしたの?」
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