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「未唖」
教室の入り口から、低い声がきこえる。
「あ-巧!!」
未唖はその男にかけよった。
ああ…
彼氏か。
総司…あいたいよ
「…っ!!」
あたしは、きがついたら総司と出会った場所にいた。
今も、桜の季節。
あの桜以外の桜が咲き誇る。
「そ…じ」
「そ-…じ……ヒッ…あぁぁ-」
無情に流れ落ちるなみだが、地面を濡らしていく。
「香音…?」
「っ!!……ズッ…なに?」
「なんで……香音どしたの?」
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