8人が本棚に入れています
本棚に追加
そして家に置いてある横長の長方形の机の上には、色とりどりの料理の品がおかれていく。
和食構成になっていて、炊き上がったばかりのご飯の白い湯気や味噌汁の馴れ親しんだ匂いがここにいるみんなの鼻腔をくすぐる。
ローラは、手伝いが終わると椅子に腰掛けてくる。
だいたいの食卓が完成されていた。
「朝食の支度が終わりました。では、食べる事にします!!」
リリスも着席し、ここにいる全員が食事を開始した。
「美味々々しい!!! さすがは、リリスさん。」
「確かに。ラニールの言う通りね。本当に美味しいわ。」
ラニールとニャラーチェは、開始早々リリスの料理を誉め讃えていた。
リリスは、そんな2人に微笑み返している。
「そういえば、ウィルさん。クロードさんはどうしてます?」
ローラは、食事の途中ウィルに質問を投げ掛ける。
「クロード様は、今世界の意志に対して抵抗策を立てておられます。しばらくは、多忙の身となるでしょう。」
「そっか・・・・」
ローラは、遥か遠くを見るような虚ろな眼になっている。その瞳には、どこか寂しいと悲しい感情が入り交じっているように見える。
「確かにクロードさんはいつも忙しそうね。たまには、休養を取った方がいいわ。」
「まあ私も同じように忙しい身ですが、クロード様程ではないですから。クロード様は、誰よりもこの世界の更正を望んでおられます。」
ウィルは、規則正しく丁寧にリリスの料理を頬張っている。礼儀がしっかりとしていて、上品にすら見えてくる。
最初のコメントを投稿しよう!