Ⅰ話「蒼歌の巫女」

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「はい。分かりました。」 ローラと呼ばれた少女は、崖の先端に向けて歩を進める。靴は履いておらず、裸足で地面に触れている。 「・・・」 3人は、ローラを囲むように立っておりそのまま周囲に気を配るような仕草を見せる。 時刻は、午前5時。 この時間帯は、毎日必ず行わなければならない行事がある。 「-------」 ローラは、歌う。神秘的な声が少女の小さな口から流れ出て世界に浸透していく効果を発揮する。 昇り始めている朝日は、それに呼応する形になっていて背景としては申し分ない。 この行事は、聖歌(せいか)と呼ばれている。これには、深い意味があり必然的に行われる重要さに富んでいる。 これは、30分間にも至り終わる頃にはもう朝は間近まで来る頃合いになるのだ。
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