Ⅱ話「堅制の不城」

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「そうですが戦いは、やはり必要ではないでしょうか?」 ウィルが的確な反論をするとローラは怯む事無くこう答えた。 「戦いはほとんどの場合、どちらかが傷つくのは否めない事です。そのどちらが勝利したとしても全てが丸く収まるわけではないから。」 ローラは、感傷に浸りながら寂しげに語る。 ニャラーチェは、少し口を挟んでいたりしたがそれに比べてラニールは一言も喋ってはいない。 親衛隊3人の同一の行動といえば、周囲の警戒にあたりローラの身の安全を確保することである。 さすがにいつものような感じになるわけにはいかない。 「しかし私は、分かっています。」 そうローラは、呟き手を胸の前方で合わせる。 その姿は、信ずる神に祈りを捧げる修道女そのものであった。
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