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「お嬢様!!」
そこに、ウィルの焦りの混じった声が響いてくる。
すると多く集まるバンドメイツの民衆をかきわけて進む少女の姿があった。
その少女は、ローラでまっすぐクロードに向かってきている。
歩幅は、広く一歩一歩が多くの前進にも勝る。
その展開に民衆は、ただ呆然と見つめ戦場に向かう人々は期待の視線をローラに向けている。
そして、少しの時間を得てローラはクロードの元へたどり着いた。
「私からも言わせて下さい。」
ローラが声を発する。
元々重苦しかった沈黙は、さらに重圧を強めていく。
しかし、それはローラの芯を弱める効果を発揮しなかった。
何せ正しいと信じてやまない事を前に怖じけづく必要がないからだ。
ローラは、ただ自分の信じた事を皆に伝えるだけ。
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