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「早く死んでくれないかなー」
正直な話、平和島 静雄は馬鹿だ。生きてる価値もないくらいに。
しかし、何故そんな彼が今まで生きて来れたのが不思議だった。
考えられた原因は 凶器となっている馬鹿力。
あれがなければ騙されやすいただの馬鹿なのでここまで生きて来れなかっただろう。
「あ。」
さっそく静雄を見つける。
「面倒臭い事になっ…ん?」
静雄は電化屋のショーウインドーの前に立ち尽くす。
何かを真剣に見ていた。
「…………なんだろ。」
気になってばれない程度に近づきショーウインドーを覗く。
そこにはテレビがあり、静雄の弟 幽の姿があった。
兄弟揃って顔は良いし、兄弟揃って有名人なのに(まぁシズちゃんは違う意味でだけど)
どうして此処まで兄は馬鹿なのか。
ひょっとすると弟に頭脳を全部持ってかれたとか。
臨也はそんな事を思いクスクスと笑った。
「馬鹿なシズちゃん…」
呟いてから、臨也はそそくさと逃げた。
すると、
―ヒュンッ
とか言う空を切る音がして慌てて振り返ると
赤いポストがこちらに向かい飛んでくる。
「「いぃぃいぃざぁぁあぁやぁぁああ!!」」
「あはははっ。シズちゃんじゃないどうしたの?」
高笑いを含ませながら 臨也は静雄を引き連れるかのように狭い路地へ逃げた。
「!」
ミスった。
走り着いた所は行き止まり。
「行き止まりじゃねぇか。臨也君よぉ…」
「…………シズちゃん。こう言うのはどうかな?シズちゃんが俺を見逃すっていうのは…っ!!」
喉元目掛けて 傍にあった標識を軽々引っこ抜き振られる。
手に持っていたナイフで上手く止め睨み合いが始まった。
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