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その後、俺はおばさんに旅行に行くことを伝えると快く送り出してくれた
そして一日分の荷物をバッグに詰めると俺達は家を後にした
で、現在に至る
「旅行かあ、幼い頃に家族で一回行ったきりでそれ以降行ってなかったな~」
あの頃は両親も生きていた
楽しかった
あの頃は本当に……
「…ちゃん?――お兄ちゃん!」
「はっ!…あ、綾?どうした?」
「あ、綾?どうした?っじゃないよ!いきなりどうしたの?急に黙り込んだと思ったら、いきなり泣き出すし」
「俺…泣いてたのか?」
「うん。ポツンポツンって感じで…どうしたの、お兄ちゃん?私で良かったら相談乗るよ?」
「……大丈夫だよ。ただ、外の景色が綺麗だったから気づかない内に泣いてたんだよ」
「ふーん、それなら良いけど」
「悪いな」
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