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「うわあ……すっげえ……」
「うわあ……すごい……」
部屋に着いた俺達を待っていたのは見事に彩られた山々だった
さっきの旅館の前で見た紅葉とは段違い
「自分が日本に生まれて、日本人として生きていることに誇りを感じるよ」
「うん、私も」
本当にそう思う
多分、外国じゃこんな見事な景色は見られない
それから俺達は何をする訳でもなく、今日の夕食についての電話が鳴るまでずっと景色を眺めていた
―――――
「このお刺身…美味しい…!」
「うん、この天ぷらも美味しい」
今は夕食
部屋から見る景色も素晴らしかったけど、夕食の料理も美味しい
今が旬という食材を余すとこなく使った食事は絶品だった
この旅館では、近くの山で採れた山菜や川魚が主流で、早くしかも新鮮で美味しいという事で大変人気らしい
うん
その意見に賛成
「お兄ちゃん?」
「うん?」
「女体盛り」
「……今、まな板の上の鯉って云う諺が思い浮かんだよ」
魚のお頭が飛んできた
こら!食べ物は粗末にしちゃだめでしょ!!
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