ずるい告げ口

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アタシは上の空のまま、 約束のパフェを食べた。 その間、悠哉は春菜や 学校の話を楽しそうに 話し続ける。 パフェって…… こんなにマズかった? アタシの頭には 何も入ってこなかった。 もくもくと生クリームを 口に運ぶ。 パフェを食べ終えたとき、 気持ちに限界がきた。 ――もう嫌だ。 春菜に話なんて 聞きたくない! 「あのさ、お姉ちゃん 彼氏居るみたいなんだよね。 今日。彼氏とマンション前で 手繋いでて……」 「え……」 思わず言ってしまった言葉に、 悠哉の顔から笑みが 消えいく。 完全に笑顔が消えて、 呆然とする悠哉。 その姿を見ていると、 胸が痛んでくる。 言わなければ良かったという 後悔が押しよせる。 ――思わず言っちゃった……。 でも、失恋した悠哉を 喜んでいる自分が いないと言えば嘘になる。
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