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少女の言葉は、理解不能で、解釈不能で、認識不能だった。
俺は、少女に正しく応えることが出来ずに、
「お前、だれ?」
最初の問いを繰り返した。
「わたしは、天使だよ」
完全に電波だ。
でも、もう少しだけ関わっていたい。
だって、俺は────この少女を知っているような気がするから。
「天使、ねぇ。神様の使いが俺に何の用だ?」
俺は何かを忘れている。頭にノイズが走る。
『うっ……うっ……ぐずっ』
聞こえてくるのは誰かの泣き声。どうして泣いているんだろう。早く謝らなくては。
────謝らなくては?
泣いているなら、慰めるだろう。どうして謝らなくてはいけない。
俺は何をした?
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