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「忘れていることを早く思い出して?あなたは早く戻らなくちゃいけないの」
少女は真剣な顔で言う。
「あなたが思い出さないと、困る人がたくさんいるの」
「……何を忘れているんだよ。どこに戻るんだよッ!」
俺らしくもなく、激昂して叫ぶ。なぜか心がざわめく。なにかが心を刺激する。
「本当に、本当に何も思い出せない?」
少女は、いきなり怒鳴った俺に怯えた様子を欠片も見せない。
俺は、俺は…………。
「あなたは、○○でしょう?」
少女のセリフの途中にノイズが走り、何と言ったのかはわからない。わからないが、俺はその言葉を恐れている。
再び、ノイズが走る。
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