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「何を言ってるの? 確かに私は死に対して抵抗が薄いけど、それは悪いこと? 人はいつかは死ぬんだから、それに慣れるのは悪いことじゃないでしょ」
「人はいつかは死ぬ、それは正しいけど、普通は、普通の人はその事実から目を背けているものだよ」
少年は諭すように言った。
「目を背ける方が、悪いことじゃないの」
「君は間違っているよ。辛い事実から目を背けてこそ、人間だろう? 忘れられることは幸せだ」
「あなたは嘘つきだわ。だって、本当に自分が正しいと思っているのなら、どうしてあなたは、この世界をつまらないと言ったの?」
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