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「──────」
不意に、誰かに名前を呼ばれたような気がした。
振り返ってみるが、誰もいなかった。
「…………?」
足を止めて辺りを見渡す。が、誰もいない。いや、誰もいなさすぎる。人気が無さすぎる。
「…………」
私は、嫌な予感がして早足で歩き出した。
そして、数歩もあるかないうちに気付いた。少し先に立っている少年に。
「やあ、こんにちは」
歌うように、唱うように彼は話し掛けてきた。
「………あの、どなたですか?」
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