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「好き」
あたしが伝えると辰己は言った。
「ありがとう、でも俺は弱い奴だから、答えられない。俺は、雅を傷つけることしかできない。雅とは友達。」
辰己は過去に彼女がいたことがあった。
その彼女の事を辰己は…自分勝手に突き放した。怪我を負わせた。一生消えない傷を、身体と心に。
辰己なりに責任を感じているのだろうか。
また誰かに傷を付けると、あれから辰己には彼女はいない。
あたしは思う。
「辰己は過去に向き合わない。向き合わないのは悪いよ。でもあたしが、向き合わせて、心の底から辰己を笑わすから。」
それでも辰己は駄目なんだと、言う。
あたしの恋は、終わった。
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