6人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「なんで知ってるの……」
「これが私の力です。信じてくれましたか?」
そう言いながら手を離し、もう目を開けてもいいですよと言った
信じるもなにも僕と家族しか知らないことをどうして…
「エスパーだからわかったんです。私はこの力を使って全ての物事の判断、つまりアドバイスをしているってわけです」
「じゃ、じゃあ美由紀の居場所は!」
「申し訳ないのですが君が知らないことを私は引きだせないんです」
「…どういうこと?」
「私ができることは左手で触れた人や物の記憶をたどる事だけなんです。君がその美由紀という娘の場所を知らなければ、私はなにもできないんです」
「じゃあ美由紀の場所はわからないの?」
「現段階ではそういうことになりますね」
僕はガッカリした
エスパーだと言うから期待したのに…
「ですが…その美由紀さんの居場所を掴むことができる可能性だってありますよね」
「どうやって?藤原さんは人の記憶を頼りにしているんでしょ。美由紀がどこにいるかなんて誰も知らないんだよ?それじゃあわからないじゃない」
生田くんも僕も知らないんだから誰も知らないはずなんだ
「それは違いますよ。例え人が知らないことでも知っているやつがいます」
「防犯カメラとかにでも頼るの」
「近い答えです」
そういって藤原は僕の目を見て言った
「先ほども言いましたが、私は物の過去も見れますから」
「物の過去って…?」
「物にも魂はあるんですよ」
なにか宗教じみている気がするが...
「じゃあ美由紀が使っていた物を見たらわかるんですね」
僕は聞いた
「100%というわけではありませんが、そういうことです」
そういって藤原は席を立ち、かけてあったコートを手にとり言った
「まずは美由紀さんの部屋に行きましょう。なにかしらあるはずですからね。案内をお願いします。」
最初のコメントを投稿しよう!