スール王国

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「おやすみ、アオ」 「……うん、おやすみ」 ゼウスが部屋を出ていった。 時計もなく天蓋のベッドに座ってると、フワフワと綿毛が目の前に飛んできた。 「……」 薄暗い部屋に光る綿毛。 触ろうと手を伸ばすと、スゥッと消えた。 そして、一気に睡魔が襲ってきた。 「……ごめん。シン……」 ゼウスの言葉に、ここに来る直前のことを思い出した。 僕のせいで傷付けた猫のことを。 「シン……、せっかく名付けたのに……何が創成主……だ……」 傷付けてばっかりだ……。 破壊神じゃないか。 目を腕で覆い隠し、深い深い眠りに入り込んでいた……。
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