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そうやって昨日無事高校の入学式を終えることができた私は今、美容院に向かっている。
「夏が過ぎー風あざみ…」
なんて名曲だ。少年時代を口ずさんでいると走馬灯のように小学生時代を思い出す。学業に縛られる事なく充実感に満ち溢れていた毎日は今のひねくれてしまった私にとって過去の遺産だ。本当にあの頃の私は私なのだろうか。そしてそう思う度に小学校の卒業写真を開く。集合写真の左端でみんなが平和ポーズをとっている中そっぽを向きながら鼻をほじくっている少年、嗚呼間違いない、私だ。
みんなで鬼ごっこをするときもじゃんけんして鬼を決める儀式で間髪入れずに私は何故か鬼にされていた。弁当のおかずに野菜が無く茶色弁当と馬鹿にされた。それでも何か、楽しかった。
今はどうだ、さっぱり楽しくはあるまい。むしろ気怠い。
話は松井秀喜の打球ぐらい飛ぶが、何故阿呆達は女の子とあんなにも仲良くできるのか。何故に私は女の子とこんなにも仲良くできないのか。顔面に問題が有り、そんなことは承知の助なのである。それを言ってしまえば私よりも上っ面お粗末君は大勢いるのだ。なのに奴らは女と戯れる事を得意としている。自分のコンプレックスと向き合い、それを補うように髪を染めて、耳に穴を空けつつズボンを下ろす。
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