メガネ

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  ********   『笠部さ~ん』   「!?」   クラスの女子に呼ばれ振り向くと、3人の女子が居た    その中心に居る女子が、カールを巻いた長い髪の毛を指で弄りながら   『悪いんだけど~、私たちこれから用があるのよねぇ~』   そう言いながら2人の女子にも相槌を求めるよう見回すと、弄っていた髪の毛を指で払いながら口角をあげ、ホウキを突き出してきた    『だ~か~ら~ 掃除、私たちの分までやっておいてね~』   それが合図かのように、次々にホウキ、モップ、ちり取りを渡される   「あっ…あの…」   『よろしくね~』   そう言って各自カバンを持つと教室を出ていってしまった   「……ハイ」   誰も居ない教室を1人で掃除することになった   私はクラスでもあまり存在がない   でも、こういう時だけ私の名前を呼び、近付いてくる    「普段、私なんか無視するくせに… こういう時だけ…」   でも誰も居ない教室は好きだ   誰にも気を使うこともない    自分の時間が流れている           「やっと終わったねぇ…」    もちろん一人言だ   帰る支度をしていると、教室の窓から光が射し込んできている   ふとその窓から校庭を見渡した   グラウンドでは部活をしてる生徒がいる   「…私には縁のない世界ね」   私はグラウンドに背を向け、教室を後にした        
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