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あれから私は皆本さんとあるところに来ている
そうここは─────…
『はい。
今日はこれで終わりま~す』
『ではまた明日お願いしますね』
『お疲れ様で~す』
…───撮影スタジオ
『真愛ちゃん
こんにちは』
「あっ…
お疲れ様です」
この人は今一番人気のモデル
杉村 朱希(スギムラ アキ)さん
凄く綺麗でお上品で、私のクラスの女子とは比べ物にならないぐらい、とても優しい人
『そういえば社長、真愛ちゃんのお母様今日来るって言ってたけど、いつ来るか訊いてる?』
「いえ…
最近家には帰ってこないので…
私も今日皆本さんが迎えに来てここに来るよう言われただけだから…」
そう、ここは私の母が経営するスタジオ
と言うか会社
会社のビル内に撮影スタジオがある
そして私はその社長の娘
『そっか…
やっぱりあの事が原因なのかな』
「え?
“あの事”ってなんですか?!」
『あっ…
真愛ちゃん聴いてないのね…
じゃぁ私から話す訳にいかないわ』
「え…あの…」
『真愛さ~ん』
朱希さんと話してると、スタッフの人に呼ばれた
『ほら、呼んでるわよ
行かないと』
「で、でも…」
『大丈夫』
朱希さんに笑顔でそう言われ背中を押されると、私は渋々返事をし、スタッフの元へ行った
振り返ると朱希さんは笑顔で手を振り、スタジオを出ていってしまった
- え!?なに?!なにが"大丈夫"?!
なんで娘の私が知らないで、他人が母の事を知ってるの?! -
これから嫌な事が起こりそうな、そんな嫌な予感がしていた
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