第一章 桜峰学園入学式

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(そろそろ悠太を起こしてやるか……) 隼人はもう一度悠太の頭を殴って、眠りから覚ましてやった。 「俺って優しい」 「2度も殴った奴が何を言う!」 「まぁまぁ、お茶でも飲んで落ち着けって」 「そんなので落ち着けるかー!俺はじじいじゃねーぞ!でも、お茶は貰っておこうかな……」 「冗談に決まってんだろ」 「チッ、ちょっと期待しちまったじゃねぇかよ……。って、こんな事をしている場合じゃなかった!」 悠太は何か急用を思い出したらしく、勢いよく立ち上がった。 「どうかしたのか?」 「俺は水澤さんと一緒に帰る予定があるんだよ!」 「それは、予定じゃなくて欲望って言うんだぞ。もっと現実を見ろ!それに、水澤さんはもう帰っちゃったし……」 「ガーーーーン」 悠太は四つんばいになって、これ以上はないってほどの落ち込みをみせる。
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