報告書2:謎の集団について

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  木曜日の2時間目。 満のクラスである1年G組では、数学Ⅰの授業を行われていた。 数学は問題を解いたり、教師に当てられたりするため、大半の生徒達は寝ることなく授業を受けていた。 一部、睡魔に負けて没している者もいたが、後に教師によって起こされるだろう。 高校の教師には2つのタイプの者がいる。 生徒に構う教師と黙って見過ごす教師だ。 前者は生徒が授業中に寝ていたら起こすし、提出物が出されていなかったら警告を出すので、口うるさく感じるかもしれないが、こちらのタイプは親切なのである。 一方、後者はタチが悪い。 授業中に生徒が寝ていると判っていても起こさないし、提出物が出されていなくても何も言わない。 その代わりに、こっそり黙って成績だけを下げていくのだ。 今現在G組の数Ⅰを担当している教師は、前者の生徒に構うタイプだ。 そのため 「成瀬ー、寝とっちゃ駄目だぞー。」 「あ、ひゃい。」 寝ていた満に声をかけて起こした。 教師に寝ているところを見つかったことと満のまぬけな返事によって、教室内からはくすくすと笑いが起こり、笑われた満は、あっという間に耳まで真っ赤に染め上げた。 は、恥ずかしー 穴があったら埋まりたい…‥ 「はあ…‥最悪だ…‥。」 満が一人静かに溜め息に乗せて呟いていた頃、卯辰高校のとある階の女子トイレでは 「ひっく…‥うぅ…‥。」 一人の女子生徒が泣きながら手洗い場で上履きを手でゴシゴシとこすっていた。  
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