報告書2:謎の集団について

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  彼女はクラスのリーダー的存在の女子生徒とその取り巻きから虐められていた。 理由は、この間の数学のテストで、リーダー的存在の女子生徒よりも良い点数を採ったからだった。 彼女はディスコミュニケーションで、親しい人物がいなかった。 毎日毎日何をするにも1人で、彼女は寂しさと孤独感を感じていた。 そんな彼女を元気づけていたのが、数学だった。 彼女は、どの教科の中でも数学が飛び抜けて得意だった。 中学の時に良い教師に恵まれたこともあり、数学の腕がめきめきと上がり、高校でもその状態が続いた。 しかし、彼女は一番ではなかった。 一番はいつもクラスのリーダー的存在の女子生徒だった。 リーダー的存在の女子生徒は、ルックスも頭脳も良く、更には運動まで出来る完璧な生徒だ。 そのため、彼女はその女子生徒に憧れており、尊敬していた。 そして、いつしかその女子生徒に近付きたいと、今まで以上に数学を頑張った。 数学で少しでも女子生徒に近付き、自分のことを知って欲しかった。 そして、彼女の願いは叶い、彼女は憧れている女子生徒よりも良い点数を採った。 彼女は教師に誉められ、とても嬉しかった。 そして、授業後。 憧れの女子生徒が彼女の席にやって来た。 彼女は、胸が高鳴った。  
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