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ところが──
「ねえ、あんた何調子こいてんの?」
「え?」
「あんた、マジウザい。」
そう言い残し、憧れの女子生徒は去って行った。
ちらりと女子生徒がいる方を見ると、女子生徒だけでなく、その取り巻き達までもが彼女を睨んでいた。
「!」
彼女は、恐ろしくなって教室を飛び出し、トイレに逃げ込んだ。
それからというもの、彼女は虐められるようになった。
ある時は、教科書に落書きをされ、切り刻まれ、ゴミ箱に捨てられていた。
ある時は、ゴミ捨て場に彼女の鞄や体操着が捨てられていた。
ある時は、机と椅子をどこかの教室に片付けられ、ある時は、筆箱の中のシャーペンやボールペン、定規までもが全て折られていた。
そして、今は彼女がトイレに入っている間に、上履きをトイレの便器に入れられていた。
彼女は悲しくて何度も何度も泣いた。
ようやく涙が止まり、彼女は便器からどぼどぼに濡れた上履きを取り出し、手洗い場に運んだ。
そして、掃除用の洗剤を上履きにかけると、素手でゴシゴシこすった。
すると、治まったはずの涙が再び溢れてきた。
何で?
何でわたしがこんなことされなくちゃいけないの?
わたし、何か悪いことした?
わたしは、あの子みたいになりたくて、少しでもあの子に近付きたくて、頑張っただけなのに…‥っ!
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