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保健室。
部長はすやすやと安らかな寝息をたてながら寝ている女子生徒の顔を見ていた。
傍らには黒髪ぱっつん、金髪、銀縁眼鏡が揃って立っており、少し離れたところで養護教諭である鳴海京子が何やら書類を整理していた。
「担任には思春期特有の疲れだって言っといたわ。」
「うん。ありがとう。」
京子の声に、部長が静かに応えた。
すると、京子がふうと息を吐き、部長に近付いてきた。
「悔しい?」
「…‥。」
部長は応えず、唇を噛んだ。
「あなた達にはチカラがある。でも、あなた達は完璧じゃない。ううん、誰だって完璧じゃないわ。被害者は出してしまったけど、犠牲者は出なかった。それだけで良いんじゃない?十分自分を誉めて良いと思うわよ?」
しかし、部長は首を横に振った。
「それじゃ駄目なの。だって、わたしはあのとき誓ったのに…‥。」
部長が悔しそうに握る拳に力を込めた。
すると、パンと乾いた音がした。
皆で音のした方を見ると、音の発信源は京子で、両手を叩いたことで音が発生したと判った。
「さ、もうそろそろ教室に戻りなさい。」
そう言うと、京子は左腕に巻いている腕時計を見た。
「あと43秒で授業が始まるわよ。」
そう京子が言うと、
「やばっ!わたし次体育なのに!」
部長がいつもの調子で言った。
その様子に、一同がほっと胸をなで下ろした。
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