報告書1:七不思議について

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  成瀬満(なるせみつる)も、眠っている生徒のうちの1人である。 茶髪の頭がちらほらと教室を埋める中、満は、真面目なことに黒髪のままである。 視力には恵まれており、今まで眼鏡(めがね)やコンタクトと言った類(たぐい)のものには、お世話になったことはない。 容姿は、同じ歳の男子達よりも低い身長と童顔のせいで、実年齢よりも2歳ほど年下に見られる。 高校生になった今も、本屋でポイントカードを作る際に 「中学生でよろしかったでしょうか?」 と言われ、ひどく落胆した。 もちろん、「高校生です……」と訂正したが。 あのときの店員の疑うような視線を、満は忘れることができないでいる。 友人は、 「歳よりも若く見られるんならいいじゃねえか。俺なんかさあ……」 と励ましと愚痴(ぐち)を言うが、判っていないと、満は思う。 若く見られると言えば聞こえはよいが、要するに、幼く見られるということだ。 幼く見られる = 未熟 そんなレッテルを貼られているような気がして、満は悲しさと悔しさを感じずにはいられない。 そのため、満は、早く大人になりたいなと願っていた。 早く大人になって、一人前だと認められたい。 それが、満の願いであり、夢でもある。  
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