報告書1:七不思議について

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  食堂は既に人でごった返しており、券売機の前には長蛇の列ができていた。 「相変わらず混んでるなー」 「だねー」 満と孝之も券売機の列へと並ぶ。 卯辰高校の学食では、まず券売機で食券を購入し、それをカウンターの右端にいるおばちゃんに渡す。 そのときに 「カツ丼1つ!大盛りで!」 と、オーダーを口にしながら渡しても良いし、 「…………」 無言で渡しても良い。 食券をおばちゃんに渡すと、食券と引き換えに番号札とお盆が渡される。 おばちゃんがいるカウンターは長く、お茶の入った業務用の大きなポットや湯のみ、箸、フォーク、スプーン、ドレッシングやソースの小袋などが並んでいる。 それらの中から自分が注文したメニューに必要なものをチョイスしてお盆に乗せる。 それらの作業をこなしてカウンターの一番左端に行くと、番号札が書かれた紙を添えられて注文した品が並べられている。 その中から自分の番号のものを見つけ出し、お盆に載せてテーブルに向かう。 一見、このシステムは効率的に思えるが、大きな欠点がある。 それは、券売機が1台しかないことだ。  
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