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食堂は既に人でごった返しており、券売機の前には長蛇の列ができていた。
「相変わらず混んでるなー」
「だねー」
満と孝之も券売機の列へと並ぶ。
卯辰高校の学食では、まず券売機で食券を購入し、それをカウンターの右端にいるおばちゃんに渡す。
そのときに
「カツ丼1つ!大盛りで!」
と、オーダーを口にしながら渡しても良いし、
「…………」
無言で渡しても良い。
食券をおばちゃんに渡すと、食券と引き換えに番号札とお盆が渡される。
おばちゃんがいるカウンターは長く、お茶の入った業務用の大きなポットや湯のみ、箸、フォーク、スプーン、ドレッシングやソースの小袋などが並んでいる。
それらの中から自分が注文したメニューに必要なものをチョイスしてお盆に乗せる。
それらの作業をこなしてカウンターの一番左端に行くと、番号札が書かれた紙を添えられて注文した品が並べられている。
その中から自分の番号のものを見つけ出し、お盆に載せてテーブルに向かう。
一見、このシステムは効率的に思えるが、大きな欠点がある。
それは、券売機が1台しかないことだ。
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