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大地が天国に逝ってから49日目の今日
仏壇の前で両手を合わせる恵理
『ダイちゃんこれからお墓いくね…ダイちゃんが好きだったマルボロ持っていくからね、みんな来てくれるって…待っててね』
ゆっくり目をあけて微笑みかけてる大地の写真を見上げる
涙が溢れてくる
思い出が詰まり過ぎた大地の部屋
線香の香りが寂しさを連れてくる
インターホンが鳴り共用部のロックを解除する
加藤『おはよう』
恵理『おはようございます、早くからわざわざすみません』
軽く手を上げる加藤
裕美『恵理さんおはよう』
恵理『おはようございます、お腹少し大きくなりましたね』
裕美『えぇ…』
お腹をさする裕美
裕美は加藤とこの春挙式を挙げる予定だ
二人揃って仏壇に手を合わせる
加藤『ほな行こうか?後はみんな直接行くよってに』
頷く恵理
加藤の車に乗り込む裕美と恵理
加藤『少しは元気になったんかいな?』
ルームミラーで恵理の顔を見る
恵理『元気ねぇ…ダイちゃんの思い出が強すぎて泣いてばかりです』
目頭を押さえながら応えた
加藤『そっかしんどいわなこのワシかて魂もっていかれた気いするくらいやわ、引っ越したら?』
恵理『それは無理です…ダイちゃんを感じていたいから』
加藤『そっか、ワシに出来る事あったら遠慮せんと言いや』
恵理『はい、ありがとう』
加藤『恵理さん薬呑んでへんやろな?』
恵理『まさか、ダイちゃんとの約束だしダイちゃんが止めさせてくれたのに…ダイちゃんを裏切る事はできないよ』
加藤『ごめんな疑ってるわけやないんや、心配やから…』
恵理『えぇ、分かってますから』
外は晴れていた1月が開けてまだ10日だった
加藤『そう言えばダイちゃんの親子さんも来るみたいやな?』
恵理『はい、お墓の事でお話しもあるみたいで…』
裕美『大変ですよねそういうのって、恵理さんと大地さんは他人ですもんね、けど私達は恵理さんの味方だから内の人も頑張って説得してくれるみたいだし頑張ろうね』
恵理『はい、ありがとうこざいます、すみませんなんか…いつまでも』
加藤『気にしなや、みんな恵理さんの為なら全力やで、ダイちゃんに怒られるのかなわんさかいに』
温かい言葉に目頭を熱くする恵理
[ダイちゃんは幸せ者だね、居なくなっても愛されてる]
車は山間を抜ける
恵理『加藤さん車止めて!』
後部座席のドアを開け外に飛び出す
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