【決心】

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マンションへとバンを走らせる 途中本屋さんへ立ち寄り赤ちゃんの雑誌を買った 夕飯とシャワーを済ませてリビングで寛いでいた 『名前も考えないとだね』 お腹をさすりながら楽しみが増えた感じにワクワクする 男の子でも女の子でもダイちゃんの『大地』の字は入れたいと思っていた 図面をテーブルに広げてダイちゃんの夢の中へと入り込む 12棟のプチペンションを詳しく見ていた 各棟の屋根には『天窓』と表示され全て南向きに取り付けるようになっていた 天窓の位置の下は寝室になっている 泊まりに来た人々が星空を見ながら眠りにつけるように… たぶんそうだろうと思った 『ダイちゃんらしいな』 と顔が綻ぶ 12棟のペンションには各々名前らしき表示がされてある 順番に Sweet Pea Freesia Cherry Blossom Alstromeria Lily of the valley Rose Lily Sunflower Gentian Cosmos Bouvardia Cattleya 花の名前だと言うことはローズやリリィ、コスモスからはわかったが解らないのが殆どだった ダイちゃんの花の図鑑やらを引っ張り出して調べてみた 何年振りだろうかこうやって調べものをするのって… 花の事なんて全く解らない 時間を忘れていた ダイちゃんもこうやって駆け出しの頃は花の図鑑や資料に没頭していたんだろうなぁ そんな事を思いながら資料とにらめっこをする だんだんとわかってきた 1月から12月の代表的な花の名前だった 『なるほど、なるほど』 と理解して行く度にまた資料に没頭する たくさんある花の中でダイちゃんは何故この12種類の花に決めたのか? 勝手に探偵みたいな事に資料を調べ漁る ダイちゃんが毎日やってた仕事に近づいて行くような温かい気持ちにもなれる テーブルに置いてある携帯が震えた ふと目覚まし時計に目をやる 22:15分 ー着信…ダイちゃんの実家ー 大地父『遅くに悪かね、徳永たい』 恵理『いぇ、大丈夫ですよ何かありました?』 大地父『うん、恵理さんが言ってた大地のログハウス、色々聞いてみたら大地の同級生に鮫島っちゅうもんが居るったい そいつの家は工務店ばしよるんで、そこえ施工ば頼んでるったい』 恵理『そうなんですか、お父さんわざわざすみません』 大地父『連絡先言っておくけん聞いてみたらよか、恵理さん建てよっとかい?』 恵理『いぇ、まだ何も解らないままで…』 大地父『頑張らんね…オイも母ちゃんも応援するけん』 また温かい言葉を貰った
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