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ダイちゃんのお父さんからの電話を切り
また資料とにらめっこしていた
資料を閉じてまた次の資料を開く
ヒントになるような事は解らなかった
また次の資料を探す
『花言葉』と書かれた本が目に止まる
『花言葉!たぶんこれだ』
そう言えばダイちゃんは必ずテーマをつけていた
花束やレイアウトなどにも必ず
例え小さな花束でもお客様にも想像させるようにって良く言ってた
1月
Sweet Pea :スイトピー
優しい思い出
2月
Freesia :フリージア
無邪気
3月
Cherry Blossom :サクラ
純潔
4月
Alstromeria :アルストロメリア
持続
5月
Lily of the valley :スズラン
純粋
6月
Rose :バラ
情熱
7月
Lily :ユリ
無垢(ムク)
8月
Sunflower :ヒマワリ
熱愛
9月
Gentian :リンドウ
誠意
10月
Cosmos :コスモス
乙女の真心
11月
Bouvardia :ブバルディア
幸福な愛
12月
Cattleya :カトレア
優雅
きっとダイちゃんはお客様に合わせて部屋を用意するつもりだったんだと思う
確信はなかったけど、ダイちゃんならそうしたと思った
だんだんとわかってきた…
ダイちゃんの夢が…
素敵な夢…
ちゃんとお客様にロマンチックなプレゼントを用意してる
出来るかも知れない
鮫島さんにちゃんと聞いて
もし、私に出来るのなら…
やろう…
お腹の赤ちゃんも自然豊かな土地で育つのが良いのかも知れない
ダイちゃんが生まれ育った土地でこの子を育ててみたい
男の子でも女の子でもダイちゃんみたいな素敵な人に…
なれる気がする
図面をファイルに仕舞い仏壇の定位置に置く
両手をゆっくり合わせて
ダイちゃんに語りかける
『ダイちゃん…ダイちゃんの夢を恵理に預けて下さい
叶えるよ…ダイちゃんの夢
たくさんの人に迷惑掛けたり心配掛けたりすると思うけど
ダイちゃんの夢を受け継いでこの子をダイちゃんのような素敵な人に育ててみせる
ダイちゃん…私やるね』
その日、私はダイちゃんと約束をした
ダイちゃんの夢を叶えると…
無知のまま…
約束した
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