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ダイちゃんは全て決めてくれていたんだ
何もかも…
図面が出来上がったのが1月20日で桜さんを見に行ったのが5月17日…
私のアトリエもそうだけど桜さんの下で約束の日を創るのも決めていたんだ…
ダイちゃん…大好き
少し余韻に浸る私を加藤さんが遮る
加藤『ニヤニヤしない!でな、ワシも裕美も希望も二年後に屋久島に行くしな』
恵理『えっ?観光?引っ越すの?』
加藤『ワシの故郷でもあるさかいに永住やな』
恵理『なんでまた仕事とかは?』
加藤さんの言葉に驚いてしまった
裕美『恵理さん云々やなくてな、二人で話し合って決めてん丁度いいきっかけかなって…』
恵理『きっかけ?』
加藤『せや、きっかけ…希望産まれて色々考えさせられてな
ワシ足洗おう思うてな、会社は全て松田と井上に任せてワシは屋久島で観光事業するつもりや
なんか、やっちゃんの子供っちゅうのも可哀想やしな
裕美も納得してくれたし』
恵理『……』
裕美『自然豊かな島で育てるんもきっとええちゃうかなって…根拠はないんやけど、この人見た目こんな感じやけど
屋久島で育ったからかはわからんけど根は純情で優しいしな…』
加藤『屋久島は世界自然遺産に登録されてるし、観光事業は多分ええ感じやと思うし、このペンションも宣伝できる
一石二鳥や
恵理さんが近くに居ったら裕美も安心や』
心強かった…
屋久島に行ってもダイちゃんの親友とその奥さんが近くに居てくれる
一番心強い二人…
子供も同級生…
温もりを通り越して絆を感じた気がした
全てダイちゃんが作り上げた絆…
勇気が真っ直ぐ私に飛んできてくれた
そして待ちに待った七夕の日
ダイちゃんの不思議な手紙に書いて合った通りに南の空を見上げた
ひとつだけキラキラと輝く星
明らかに一番輝いている星があった
ダイちゃんの星…
ダイちゃん元気なの?
私と宝物は元気だよ
ねぇ、星に願いをなんてあるけど
本当に叶えてくれる?
帰って来てって言ったら怒る?
あかん!って怒る?
たくさんの方々に支えて頂いて…
ダイちゃんの廻りには素敵な温かい方々ばかりです
ダイちゃん…逢いたいよ
ねぇ、恵理って呼んで…
キラキラと輝く星が流れ星に変わって地平線へと消えて行った
また…来年逢おうね
そんな言葉を残しながら流れ星になったような気がした
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