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授乳が終わり鞄からノートを取り出して宝物さんの名前を考えていた
幾つか候補をノートに書き出していたけど
まだ決めかねていて『大地』の文字は入れてあげたいと思っていた
二時間くらいあれやこれや考えて
決めた…
ノートに大きく書く
命名:夢大(ムダイ)
2002.9.17
『お父さんのように夢を大きく持って下さい』
それから10日程で退院して私の実家で療養させて貰った
スクスクと育ち
毎日手足をバタバタさせて
指をしゃぶり
泣き
笑い
夜泣きも殆どせずに手の掛からない子だとお母さんはことある事に言っていた
療養も終えてマンションへと戻る
夢大と二人の生活が始まる
離乳食を覚え
ハイハイを覚えて
片言を覚え始めて
私の姿が見えなくなると泣く事も覚えて…
愛しくて仕方なかった
夢大と過ごす時間はあっという間でダイちゃんの居ない寂しさや辛さを忘れさせてくれていた
日に日にダイちゃんに似てくる夢大
愛しさが増してくる…
――――――――――――
夢大が産まれてから一年半を迎えようとしていた
季節は春を迎え始めたばかりだった
そして徳永の姓を頂き
徳永恵理
徳永夢大
二人の希望はダイちゃんが生まれ育った土地へと抱かれる
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