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仮住まいのアパートの片付けを後回しにして考えていた
腹立たしさはまだ抜けないままだった
私がおかしいのだろうか…
ダイちゃんの思いを考えるとあまりにも鮫島の態度や言動は許せなかった…
ダイちゃん愛用の目覚まし時計に目をやる
19時を少し回ったとこだった
ボスさんに電話を掛ける
ボス『どないしたん?もうワシの声聞きたくなったんかい?あはは…もてるねぇ~』
開口一番これだ
何故か安心感を覚えた
恵理『あはは…相変わらずですね』
ボス『まぁな元気が取り柄…で、なんか用事かい?』
恵理『はい、以前花折々の改築工事を請け負った業者さんの連絡先を知りたくて』
ボス『前橋工務店やわ、直ぐ分かるで』
前橋工務店の社長さんの連絡先を聞いてメモした
ボス『なんかあったんかいな』
恵理『はい、こちらで頼んでいた工務店さんと折り合いがつかなくて、工務店さんを変えようかと思いまして
そちらの工務店さんをダイちゃんが気に入ってましたから』
ボス『あはは…初日からやりまんな、大したもんや、まぁ事情は知らんけど恵理さんがやりたいようにやったらええんとちゃうか
ワシから前橋さんに連絡取って直ぐに連絡させるさかいに』
恵理『いえ、私から連絡します』
ボス『ワシから言っておいた方が話しは早いがな…前橋さんとこは市場の改築も頼んだ事あるさかいに、連絡直ぐ入れさすさかいに待っといてんか』
恵理『すみません、助かります』
ボス『かまへん、気にしたら負けやで
恵理さん頑張りや、世の中は厳しいもんや
言い方悪いが女はまだまだ不利な世の中や
なんぞあったら直ぐにワシに連絡したらええし
ほな、切るし』
電話を切り前橋工務店の社長さんの連絡を待った
ボスさんの大きさを改めて感じていた
温かさも…
ダイちゃんが生まれ育った島の方々も同じ様に
いや、それ以上に温かい人達ばかりだと勝手に思い込んでいた昨日までの私が居た
良く考えれば分かるような事だけど
思い込んでいただけに鮫島にはガックリした
悪い人ではないのだろうけど
残念だった
それ以上に腹が立った
人生40年目にして初めて私をキレさせた男
ダイちゃんを殺した犯人とは比較にはならいけど
キレるってこんな事何だとわかる瞬間だった
夢大の寝顔を眺めながら少し疲れた自分を癒やしていた
『夢大…
お母さんはキレたら怖いぞぉ~』
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