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夢大を寝かしつけてコーヒーを飲みながら前橋さんの連絡を待った
インターホンの音にビクッとする
玄関を開ける
途端に重たさが飛んでいった
加藤さんの奥さんの裕美ちゃんだった
裕美『ちわぁ~!』
思わず抱きついてしまった
恵理『嬉しい!』
裕美『あはは…あたしそんな趣味ないで』
恵理『…やだぁキモイ』
裕美『キモイって…冗談でも、なんや知らんけどヘコむわ』
二人で笑い合う
裕美『夢大くんは寝たん?』
恵理『えぇさっき寝たとこ、希望ちゃんは?』
裕美『旦那に預けてきたし』
恵理『もしかして加藤さんから聞きつけて来たの?』
コーヒーを入れながら聞く
裕美『まぁそれも有るんやけど大阪人に会いたくなったんもある』
恵理『裕美ちゃんでもホームシックになるんや』
コーヒーを裕美ちゃんの前に出す
加藤さんの気遣いに優しさを感じた
裕美『内ら此処へ来て1ヶ月位なんやけど、やっぱり田舎やわ
全く生活環境が違うしな…
不便やわ』
恵理『不便?』
裕美『うん、不便…特に生活すんのに影響はないんやけど夜中にプリン食べたくなってもコンビニないし』
恵理『あはは…一晩くらい我慢すれば?プリンが売ってないかと思った』
裕美『ちゃうねん食べたい時に食べるんが美味しいやんか、買い置きしても食べたくなかったらゴミ箱行きか無理して食べてまうやん』
確かに利には叶っていたけど…
恵理『裕美ちゃんは相変わらずおもろいでんなぁ』
少し茶化す
裕美『恵理さんも多分不便や言うてその内ボヤくと思うで』
夜中にプリンを食べたくなった事は一度もなかった
恵理『うん、その時は裕美ちゃんにボヤくし』
裕美『ところで工事どうすんの?』
恵理『うん、今大阪の業者に頼んでるとこ…
無理っぽいけどね』
裕美『そうなんや…事情は良く分からんけど、遠慮せんと内と旦那を頼っていいしな
ここの人達はみんな良い人ばっかやし
不器用なだけで気持ちは優しいと思うんやわ』
恵理『うん、ありがとう』
裕美『旦那の親戚なんて行くたんびに野菜やら仰山車のトランクに詰め込んでくれるんやわ
多すぎやろって思うけど、そんな事でしか気持ちを伝えられへんのやと思うわ
照れ屋で不器用なんかなって思うし
嬉しいんやけどな、そんな気持ちが』
恵理『うん、悪い人は居てないと思う…
けど、あの工務店は無理…』
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