【余所もん…】

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暫くして前橋さんから連絡が入った 前橋『すみません、お待たせしまして』 緊張が走り抜ける 恵理『いえ、大丈夫ですよ』 前橋『結論からいいます』 鼓動が止まない 恵理『…はい』 前橋『徳永さんとあなた様の夢のお手伝いさせて頂きたいのですが…』 何もかもが飛んで行った 恵理『えっ!あっ、はい…ありがとうございます!』 前橋『とにかく細かな打ち合わせが必要ですので明後日に私と棟梁連れてそちらへ伺います、その日は空けといて貰えませんか?棟梁はまだ若い方ですがログハウス建築の立役者の稲葉さんです』 恵理『はい、大丈夫です 空けときます』 稲葉さんなんて知らない方だったがログハウス建築の立役者と聞いただけで安心した と同時にそんな凄い方を口説いた前橋さんには感謝の気持ちでいっぱいだった 有頂天だった 次の日は役場と銀行に行き住所変更やら口座開設やらと島の中心へとバンを走らせた 裕美ちゃんが言ってたように確かに不便なのかな?と考えていた とにかく移動するには車が必要だと言うことはわかった そんな中一つだけ感心させられる事があった 買い物中やお店や銀行へ歩いていると すれ違う小学生や中学生は決まって『こんにちは』と挨拶をしてくる 全員だった しかも元気がある 学校の教育か親子さんの仕付だろうけど、此処まで徹底されている事に頭が下がる思いと清々しい気持ちを頂いた アパートに戻りまだ終わってない引っ越しの片付けをしていた 夢大は相変わらずミニカーで遊んでいる 片付けも一段落しアパートの方々に挨拶まわりを済ませた 何時ものように夢大とお風呂に入り 寝かし付ける 朝方干してあった洗濯物を取り込むのを忘れている事に気がつき慌ててベランダに出た 途端に唖然とした 目の前に広がる星空が圧倒的だった ダイちゃんが言ってた 『星が輝く音が聞こえてきそうなんだよ』 の意味がわかる 本当に聞こえてきそうだった 時々流れ星も流れる 暫く星達に見とれていた
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