迷う指先

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「ねぇ、明日の休みはどうするの。」 「あぁ、明日か。明日は友達と出かける予定。何か約束してたっけ。」 「いや、約束はしてないけど。久しぶりに2人共休みだから。」 ソファーに座ってテレビを見ている博人は、キッチンから声を掛けても、振り向きもしない。  聞こえないように小さなため息をつき、手元の皿に視線を戻した。  博人は優しいし気が利く。特に不満は無いと思う。  これが俗に言う倦怠期なのかなぁ。  流れ出る水道の水を見ていると、何故か空虚な感覚が襲ってくる。  理由は分かっている。けれど、そう思いたくないし、違うと思いたい。  .
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