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「もう誰かが見た後かもしれないんだぜ」
と、今まで黙って話を聞いていた勇洙が口を開いた。
耀は今回の宝探しのメンバーを思い浮かべながら、洞窟の入り口に目をむける。
「よーく考えるある。アルフレッドがここを通れると思うあるか?ルートヴィッヒも怪しいあるが……。仮に通れたとしてもフランシスやフェリシアーノが嫌がるはずある。」
確かに。
菊は表情には出さなかったが納得していた。
心の中だからか、八橋は働かないようだ。
「でも、我達なら通れるある!」
きらきらと輝く笑顔の耀に、勇洙は珍しく困ったような表情を見せた。
そこで菊が控えめに手を挙げた。
「あの……水を差すようで悪いんですが。明かりになるようなものはお持ちなんですか?」
「もちろんある!こんな時のためにちゃーんと持ってきてるあるよ!」
そう言って、背負っていた鞄から取り出したのは、懐中電灯が二つ。
用意の良い耀に呆れながらも、なんだかんだで楽しみな菊は懐中電灯を一つ受けとった。
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