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「悠ちゃん、おっはー!」
上履きに履き替えていると、
クラスメイトの国枝 悟(クニエダ サトル)が古いポーズをかましてきた。
「おはよ…っつーか、その呼び方やめろって」
「え~!何でだよ」
「俺の妹の名前、言ってみ」
ほら。と、悟に顎で指示した。
「…悠子?」
だから何?って顔で悟は俺を凝視する。
「そ。…で、あいつの友達はあいつの事を"悠ちゃん"って呼ぶんだよ。」
悟は少し首をひねったあと、納得したように頷いた。
「あぁー。そういう事か、了解。妹と名前が似てると面倒なんだな」
ほんと、面倒だよ。
小4のときだったかな…
名前が1字違いのせいか、俺の
あだ名は"ゆうこりん"だった。
悠子が付けられるのは、わかる。
けど、なんで悠護の俺が?
そのときはこう思った。
……悠子のせいだ
って。
あいつが妹だから"ゆうこりん"なんてあだ名がつくんだ。
────って、悠子に八つ当たりしたこともあったな…
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