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彰人とアドレス交換が終わると、悟先輩が携帯を構えてきた。
「悠子ちゃん!俺もーっ」
「はい!いいですよ~^^」
赤外線送信をしているとき、あたしは横目で兄貴を見ていた。
気にしててほしい。
妬いてほしい。
都合のいい感情だけがあたしを支配した。
いつだって、あたしは兄貴を目で追ってる。
好きな人が出来ても
告白されても
彼氏ができても
けど、もうやめなくちゃ…
「20時か…。じゃ、そろそろ移動しようぜ!」
悟先輩が立ち上がった。
「おっし!どこ行く?」
兄貴も乗り気。
「私カラオケ行きたい!」
梨乃は率先して手を挙げた。
私も~!と、真理も賛成する。
「悠子は?」
ただひとり盛り上がらないあたしを気にして、彰人が聞いてくれた。
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