野口とミルフィーユ

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霜月。 もう目の前に訪れている冬を感じさせる様な凍てつく空気が、朝霧と共に駆け抜ける。 「一人十殺!十人百殺!」 そんな朝の風景なんて、まるで無視するように、スキンヘッドが今日も汗に塗れてトレーニングに熱中だ。 「今日も良い身体をしてるじゃないか…オンドレ」 「ば…薔薇様……」 薔薇様こと、生徒会長のアベ会長は、来るべき暗黒武闘会本戦に備えてトレーニング中のオンドレの、出来上がった身体を弄り始める。 それはもう…上から下まで満遍なく、這いずる様に やれやれ…朝からお盛んな事だ。 「や…止めてください薔薇様っ」 まさにアベ様のお御手が、オンドレの触れてはイケない部分に触れようとした刹那、オンドレは顔を赤らめてアベ様を拒絶する。 「みんな見てます……私、見るのは好きだけど、見られるのは好きじゃないんです」 なんて自分勝手なセリフなんだろう。 我に返ったオンドレを待っていたのはただの自己嫌悪。 「昨夜、あれだけ俺の腕の中でヒイヒイ言ってた漢のセリフとは到底思えないな…」 アベ様ったら、そんな事を瞳を逸らさず言うんだもん。 これはオンドレでなくてもときめいてしまうに違いない。 「おまえ、俺のケツの中に小○しろよ」 耳元で溜め息混じりに囁かれたアベ様の 声が、今日もオンドレのココロを乱した。
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