野口とミルフィーユ

4/4
前へ
/4ページ
次へ
スパコーン! そんな爽やかで軽快な音がオンドレの頭の上から突然聞こえてきたからビックリだ。 「朝から何をはしたない事をしてるの!?」 「なんだ… 誰かと思えば中田じゃないか」 あろうことか、生徒会長のアベ様の頭をハリセンで叩いたのは、風紀委員長の紫薔薇(ロサ・ハラマティヌス)様こと中田慎二様だ。 アベ様の頭を叩ける漢なんて、学園内だと中田様くらいのものじゃないだろうか。 「中田、やらないか?」 「だから!朝っぱらか何を言ってるの! オンドレ。無理してこんなバカの相手なんかしなくて良いんだからね」 折角生徒会に入ったばかりなんだから。 ロサ・ハラマティヌス様は、続けざまにそう言った。 そうだ。今日でオンドレが憧れの生徒会に入って一週間が経つんだ。 オンドレの胸中を、一陣の爽やかな風が駆け抜けた。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加