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「お、覚えててくれたんだ
嬉しいねぇ」
よく見ると男性は、ここを案内させた門番の男だった
「良くしてくれた人には良くしなきゃバチが当たるからな」
愛想笑いで男に返す
「へっ、じゃあお言葉に甘えて、と」
そういうと男は銅貨を一つ懐に直す
「そういや何か妙なことやろうとしてるらしいじゃねぇか
司教が嘆いてたぞー、『俺は凄い奴に頼んでしまった』って
一体どう凄いんだろうな?」
ニヤニヤ笑いながらキリノをおちょくる様に話す
「まけるのやめようか?」
負けじと苛立ちを隠せない笑みを浮かべながら返す
「おっと、そいつぁ困るから早く退散するわ」
そういうと門番の男も足早に店を立ち去る
「ったく、嫌味な中年が多いなここは」
悪態をつかねば心のモヤモヤを除けないのだろう、吐き捨てる様に呟く
「でもここに住む人にとってはやっぱり気になるものですよ
突然部外者が得体の知れない事やろうとしてるんですから」
言い方は悪いですけど、と付け加える
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